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2009年6月10日 (水)

【感想】現代萌衛星図鑑

気象観測、通信、環境観測、技術実験、月・惑星探査。
普段私達の身近なところを守ったり、調べてくれたり、知らない未知の世界を見せてくれる科学技術の結晶、人工衛星。
そんな彼女達7組の、健気で一途で切ない一生を判りやすく教えてくれる目にも頭にもとっても保養になる優良図鑑。

個人的にはありがとう! 良くぞ、出してくださいました!! と、作者様のブログで告知された翌日には、予約に走った一冊です。

まず、どのお嬢さんもかわいいんですよ!
しかも、衛星の機能と設定を出来る限り忠実に再現してデザインされてるんですね。
おまけに、ブログで告知されてましたが、本当にほとんど書下ろしでした。
「かぐや」の部分は最新号の部分が若干ありましたが、9割以上書き下ろし。
しかも、この値段で全ページフルカラー!!
イラストだけではなく、文章も科学的読み物としてもしっかりしてまして(監修が「恐るべき旅路」の松浦氏)、非常に判りやすくとっつきやすくなってます。
なにより、人工衛星のお嬢さんたちの仕事と一生が読みやすい物語として語られているため、彼女達がどんな運命を辿り、私達に何を与えてくれたのか、すっと頭に入ってくる作品です。

必死に生き延びて、独りでアジア前線を守り続け、衛星の寿命である後輩の6号打ち上げまで、頑張ってくれた「ひまわり5号」。
体は小さくとも残した成果と功績は大きい「さきがけ」「すいせい」。
やきもきしたけどハッピーエンドでよかった「おりひめ」「ひこぼし」のきく7号カップル。
「みどりⅡ」を含めた悲運の衛星達。
無事、任務を終えて眠りに着いたもの。
志半ばに倒れてしまったもの。

彼女達と携わった人たちの壮絶で、でも決してあきらめない情熱の物語が詰まっています。

私個人としては全員プッシュなんですが、デザインとして好きなのは、子守衛星USERSとはやぶさちゃん。
USERSはナースキャップの保母さん衛星と、子守されるお子様衛星のカリメロちっくなデザインにメロメロです。
はやぶさちゃんは、普通擬人化では男の子(JAXA公式で「はやぶさ君」って呼んでますからね)なんですが、この本では当然女の子。
冒険家である彼女のデザインは小柄で、活発さを表すためにショートパンツに白タイツ!!
ショートヘヤーでものすごくキュート!!

読み物としては、全員好きですね。
USERS、きく7号ペア、みどりⅡは、実は知らなかったので勉強になりましたし。
そんな中でも、やはり「ひまわり5号」「はやぶさ」「かぐや」が好きです。
稼動範囲を狭くして必死に生き延びた「ひまわり」、満身創痍でイトカワにたどり着いた「はやぶさ」、10年近く待ってようやく月に帰れた「かぐや」。
どれもみんな、読むと目頭が熱くなるの大変なプロジェクトですが、関係者の方々が頑張って下さったからこれだけの成果が出せたんだと思います。

「ひまわり5号」は無事、引退しました。
「かぐや」は数多くの成果を残して本日引退します。
「はやぶさ」の冒険はまだ続き、エンドマークは来年2010年の6月。
本の最後に書かれたとおり、この本の真のエンディング、来年2010年の6月まで、この本を読みながら、他の人工衛星のお嬢さんたちのことも調べつつ、宇宙に思いを馳せて、待ちたいと思います。

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