« 忘れてたらどうしよう | トップページ | なぜむくむ…… »

2007年10月25日 (木)

ヴァンピーア:九条菜月

20世紀初頭ドイツ。
急速な文明の発展の陰で居場所をなくしつつある「人ならざるもの」と人族の共存を目的に設立されたオルデンベルグ探偵事務所。
表向きの通常探偵業務のほかに、裏向き-「人ならざるもの」関連の事件も扱う事務所に、不可解な状況下で消失した女性の遺体探索依頼が持ち込まれた。
事件の発生した町に詳しいフェルが派遣されるが、現地に到着直後から殺人事件が発生し、捜査も膠着状態となる。
町のコボルト達の協力を得て、謎に挑むがフェル自身の命も狙われるようになる。
そして、事件の陰に見え隠れする花園の幽霊はと-
デビュー作に続く、オルデンベルグ探偵事務所録第2弾。

いやー、今回はデビュー作の続きかと思っていたんで、登場人物が全然違っていて驚かされました。
ジーク達とか前回メンバー誰もでてこないんですもん。
まあ、九条さんは「オルテンベルグ探偵事務所」という箱を使って、群像劇をやりたいようなのでいいのかな。
今回の主人公フェルも、ジーク同様苦労性で、共感できましたし(^^)
そして、いつも思うんですが、この方子供の書き方使い方がうまいと思います。
今回はイザベル。
彼女のおかげでぐいぐい話が進みましたし、なにより、わがままで強引なんだけど、憎めない。
物語ではよくいるタイプの子なんだけど、でも、いい感じなんですよねー。
それから、おそーく出てきたのに、尊大な態度がごくごく当たり前デフォルト装備で、おそらく人気をさらっていくであろう魔王様リヒャルトとか、濃いメインの脇役がいい味出してます。
ただ、その分、その他の脇役がステレオタイプになりすぎてしまうのが、ちょっと欠点かな。
あと、「オルテンベルグ探偵事務所録」のメインテーマである「人族と『人ならざるもの』の共存」、今回は「吸血鬼」というキーワードを使って前作同様無理解の悲しさと、「理解されているからこその悲しさ」を書いてくれたのは良かったと思います。
ただ、うーんスタンダード過ぎる気がします。
個人的には、もうすこし深みが欲しいけど、九条さんの場合はコレぐらいのバランスでいいのかもしれませんね。
九条さんは、アベレージヒッターで、安心してある程度の作品を出してくれるので楽しめるけど、がつーんとくる作品がまだないので、そういうのを今後書いてくださることを期待してます。

|

« 忘れてたらどうしよう | トップページ | なぜむくむ…… »